父も叔父も、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)で入院したことがあります。
高齢の人はなぜ誤嚥性肺炎になりやすんでしょう?

誤嚥性肺炎は、飲み込む力が落ちてきていることと、口腔内の衛生状態が悪いことで起きます。
再発を繰り返すこともあります。
再発防止に、訪問歯科で出来ることがあるので、ぜひ知っておいてください。
また、昔は虫歯だったけど今は歯を失うリスクは「歯周病」と言われています。
誤嚥性肺炎の予防だけでなく、歯を残すために定期的な受診をすることはとても大事なのです。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、2022年(令和4年)の主な死因の6位に誤嚥性肺炎が入るほど、高齢の方が気を付けなくてはいけない病気です。
本来、食道に行くはずの食べ物や飲み物が誤って気管に入り(誤嚥:ごえん)、且つ誤嚥したものにバイ菌がいるために起きる肺炎が誤嚥性肺炎です。

脳梗塞などの後遺症や加齢で、飲み込む力や咳をする力が弱くなると、自分の痰や唾液さえも誤嚥することがあります。
寝ている間にじわじわと唾液が気管に入ることで、本人も自覚がなく、繰り返し誤嚥性肺炎になることもあります。

誤嚥性肺炎の予防方法は、お口をキレイにすることでバイ菌や食べかすを減らし、お口を清潔に保つことが安全で効果的です。

教えてラビットさん!

誤嚥性肺炎の予防にもお口のケア(口腔ケア)が大事とは言いますが、痛くもないのに訪問歯科さんにお願いしてもいいんですか?

自分以外の歯を磨くのは、親子でも難しいと思います。
週1回、お口のケアで訪問している患者様もいます。
お口のケアと入れ歯の手入れのどちらもプロの力を借りると、ご家族も気持ち的に楽なるというお声もいただきます。
頻回にお邪魔することで、顔見知りになって訪問を楽しみにしてくださる患者さんやご家族もいらっしゃいます。

親は脳梗塞の後遺症でマヒが残っていて、歯磨きがうまく出来ません。そんなときもお願いしていいんですか?

はい、大丈夫です。
訪問歯科が来るタイミング以外の歯磨きについてもケアマネージャーさん経由でヘルパーさん、訪問看護さんにお手入れ方法の提案もしています。
まずは一度、無料の歯科検診でお試しになってください。

誤嚥性肺炎と口腔ケアは関係あるんですか?

「唾液誤嚥(だえきごえん)」といわれるケースが、多いんです。
ご高齢になるとノドの感覚が弱まり、ご自身の唾液が気管のほうに流れ込んでむせこむことは結構多いです。
口腔ケアが満足にできていないケースだと、口の中のバイキンがそのまま気管に入っちゃうので、誤嚥性肺炎になるリスクがすごく高くなります。
口腔ケアを毎週しっかり実施したことで、リスクが下がります。

口腔ケアを毎週実施することで、誤嚥性肺炎の発症率を約4割(39%)減少させることが報告されています。

実際大きな病院は手術した後に歯科衛生士が口腔ケアに必ず入ります。
主たる病気が原因で予後(よご:治療後の経過)が悪くなるというより、オペ後で免疫力が弱っているときに唾液誤嚥、つまり自分の口腔内のバイキンの誤嚥で命を落としてしまうということも少なくないのです。
それくらい口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防は効果が高いんです。